墨出しマニュアル

現場で使える墨出しマニュアル

斜めの返り墨を出す方法(トータルステーション編)


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では、今度はトータルステーションで斜めの返り墨を出す方法を解説します。

しかし、トータルステーションの操作方法を覚えるだけで出せてしまいます。

CADで事前準備できないときは、トータルステーションが最適です。

 

路線計算というコマンドを使います。

この路線計算は、覚えると非常に便利なコマンドです。

特に外構工事で役立ちます。境界ラインの返りなどを出したりします。

 

手順

①斜めの起点、終点の座標を計算する。

②後方公会をして、器械点を設定する。

③路線計算を選択。

④基本点の座標を入力する。

⑤IP点の座標を入力する。

⑥追加距離を入力する。

⑦幅杭を入力する。

⑧杭打ちを選択。

⑨角度を合わせて、距離も合わせる。

⑩もう1点の座標を出す。

 

設定

前回も使った図面を、今回も使用したいと思います。

 

斜めの起点 A 点 座標はX=3000 Y=1000

斜めの終点 B点 座標はX=5000 Y=10000

返り墨の幅は1000。

交点Bから1000のところで、交点の返り墨を出します。



操作方法

事前準備として、A、B点の座標を求めておきます。

その後、後方公会をして器械点を設定します。

トータルステーションはソキアのCX-105Fです。

ソキア



①路線計算を選択します。

路線計算

②その後、直線のコマンドを選択します。

直線

③次に基準点を入力します。

5000,10000

入力後、OKボタンを押します。

基準点



④OKを、押すと次の画面に映ります。

IP点入力の画面になります。

3000,1000

入力後、OKボタンを押します。

IP点




⑤次に、直進/中心杭という画面がでます。

追加距離を入力します。1000と入力してOKボタンを押します。

追加距離



⑥すると、幅杭というコマンドが出ますので、それを選択します。

要するに返り墨の幅を決めます。1000返りだったら1000と入力するのですが

プラス、マイナスの区別があります。

基準点からIP点方向に進む場合、右手方向に1000返すならプラス。

左手方向に1000返す場合はマイナス。

ここだけ注意してください。

今回はB点が基準点、A点がIP点ですので、-表示になります。

幅杭



⑦ここまできたらもう一歩です。つぎに杭打ちのコマンドを選択します。

すると、角度、距離の画面がでてきますので、まずは角度を合わせます。

角度を0°0分0秒に合わせたら、距離を測距します。

すると、後ろに何ミリもしくは前に何ミリと表示されますので、ターゲットを距離がゼロになるまで動かしてください。

角度ゼロ、距離ゼロの地点が今回求めたい点です。

杭打ち



⑧次にもう一点の座標を出します。

ここで気をつける点は器械点とIP点を逆にして観測すること。

一回目がAが基準点だったら、2回目はIP点にする。

一回目がBがIP点だったら、2回目は基準点にする。

なぜなら、追加距離はマイナス表示ができないからです。

 

⑨どちらかにトータルステーションを据えて、ポイント取り、墨打ち作業をする。

どちらのポイントでもいいので、ポイントとポイントを結びます。

今回はD点に据えます。こちらで交点の返り墨を出したいので、直線の墨打ちが終ったらそのまま90°振って交点1000返りの墨がだせるからです。

 

これで斜めの返り墨を出す事ができました。

交点の返り墨を出す



まとめ

さて、これで斜めの返り墨を出す方法がすべて出そろいました。

 

斜めがある現場は、あらかじめわかっている場合がほとんどです。

ですのでCADで斜めの返り墨を出す準備をしておくのが確実です。

作業時間的にも、間違いを防ぐ意味でも一番良いと思います。

 

つぎに、トータルステーションを使う方法。

これも、簡単です。

座標の計算間違い、入力ミス、後方公会のミスをを気をつければ確実な方法といえます。

 

最後に、関数電卓で出す方法。

最終手段でしょう。一番計算ミスなどが起こりやすい方法です。

しかし、従来のサイン、コサインより複素数を使った計算を使えば、間違いも激減します。なにより、計算時間が短縮できます。

 

より、確実性を求めるには、組み合わせるのがいいでしょう。

たとえば、トータルステーションでポイントを出した後、関数電卓で計算してみる。

ダブルチェックです。

ここまでやれば、安心できるでしょう。

親墨出しは間違いができないので、ダブルチェックするのが良いと思います。

 

今回はここまでです。

おつかれさまでした!!