関数電卓の使い方 角度、距離、座標を1秒出す技‼️
スマートに斜めの返り墨を出すための、2ステップ目です。
今回は関数電卓の使い方です。
私も、墨出しの仕事をしてから、初めて使いました。
ですので、全くの初心者から始めました。今では、全部の機能を使うことはできませんが、墨出しに使う機能は覚えています。数学が得意な人が、使いこなしているわけではないので、参考になると思います。今回の解説を聞けば、墨出しには充分な機能をマスターできます。
関数電卓とは?
関数電卓とは、簡単にいうと、足し算、引き算、掛け算、割り算以外も計算ができる電卓です。分数、三角関数、角度など通常の電卓にはできない計算が、ボタンの入力だけで行えます。
墨出し屋さんは、割とみんな持っているイメージです。
値段も3千円ほどかかるので、電卓にしては高いですね。
間仕切りなどで足し算、引き算だけで使うのは勿体無いです。
うまく使うと値段以上の働きをするので、ぜひマスターしてください。
墨出しで関数電卓を使う場面
まず、座標計算で地縄、遣り方、杭芯だしなどで使います。一番使う場面でしょう。
次に階段の墨出しに使います。斜辺を出すのに使用します。
あと、親墨出しの斜めの返り墨を出すのに使います。
そのほかの墨でも、斜めやRの墨を出すのに使いますが、よく使うのは上記3点でしょう。
おすすめ関数電卓
おすすめの電卓は
CASIO fx -JP500
とう電卓です。
この電卓は土地家屋調査士試験にも使えます。
非常に使いやすく、メモリーも豊富なのでおすすめです。
今回の解説もこの電卓を使用しています。
初期設定する。
ここから具体的な操作法を解説します。
・ライン表示にする
カシオの場合、割り算の結果が分数になります。しかし、墨出しの実務では、分数を使うことはないので、小数点で表示させるよう変更します。
SHIFT →menuSETUP→1→3
・計算結果を記憶させる
STO →A
これでAに結果を記憶させることができました。
・計算結果を呼び出す
ALPHA →A
メモリーボタンは全部で9個あります。
どのメモリーになんの数値を格納したか、忘れてしまう事が多々あります。
確認の仕方は、Shift→STO
どこに格納したか、一覧で確認できます。
しかし、いちいち確認するのも、手間なので、座標はA〜F 。角度、距離などはXYZMとルールを決めておくと後が楽です。
ポーラー(POL)、レクタンギュラー(REC)
さて、いよいよ計算を開始します。
まずは、ポーラー(POL).レクタンギユラー(REC)
を解説します。
モードは通常モードにします。コンプレックスモードだと使えないので注意。
ポーラー(POL)
墨出しだと、階段墨出しで使います。その他にも、斜辺の距離をもとめたい時よく使います。
ポーラーの便利な所は、計算結果を自動的に格納してくれる事です。
Xに距離、Yに角度を格納します。
操作
SHIFT→POL(+)
底辺→SHIFT→カンマキー→高さ=で答えが出ます。
Xに斜辺の距離が格納
Yに角度が格納
レクタンギユラー(REC)
今度は逆に、斜辺の距離と角度がわかっている時に使います。
この図の通りです。
しかし、ポーラーと違ってあまり使った記憶がありません。使うとしたら、斜めの返り墨出しでしょうか?
一応の知識として抑えておきます。
操作
SHIFT→REC
斜辺の距離→SHIFT→カンマキー→角度
Xに底辺を格納
Yに高さを格納
複素数で斜めマスターになる
ここからが、メインです。
複素数で斜めの距離と、角度を出します。
複素数とは...よくわかりません笑
理屈はよくわからないが、角度、距離、座標計算が簡単にできる事で一部では、有名な計算方法です。あまりに便利なので、土地家屋調査士試験で、大流行して問題視された事もあったそうです。
関数電卓の操作を覚えるだけで、簡単に墨出しに必要な計算ができるのです。
斜めの返り墨出しもこの複素数を使って出すので、今回は角度、距離を出す方法を覚えます。
コンプレックスモードを使って距離、角度を一瞬で出す
まず、モードをコンプレックスモードにします。
Shift→menuSTEPUP→2.複素数計算
次に座標を入力し、記録します。
座標の記録は
1000➕1000ℹ︎(Eng)Aと、します。
ℹ︎をつけるのを忘れないでください。
そのままstoを押して、メモリーキーに記録させます。これだけで1️⃣座標を記録できました。今回はAに記録しておきます。
相手の座標も記録してみましょう。
X=5000.Y=5000の座標を記録してみましょう。
5000➕5000i→stoB
座標の入力は一度してしまえば、楽なので事前に実施しておきます。
距離
では、この2つの座標間の距離を出してみましょう。
shift→AbS→ALPHA(🅰️-🅱️)です。
これで距離が出ます。座標さえに入力していれば、1秒ですね。
Aが先でも、Bが先でも構いません。
記録した座標からもう一つ記録した座標を引くと覚えます。
次に角度
上記の図の角度を求めます。
これで角度がでます。サインだっけ?コサインだっけ?と考える必要もありません!
複素数の距離と角度の出し方は、斜めの返り墨出しに、使います。関数電卓の操作だけなので覚えてしまいましょう。
角度での、注意点はargの式では、「観測点」から「器械点」を引算します。「方向を求める点」から「中心点」を引算するという順番を忘れないようにしましょう。矢印のイメージですと、先から元を引くイメージです。逆にしてしまうと180度異なる値になってしまいます。
注意してくださいね。
答えが出たら、角度表示にしてみましょう。
イメージがつかみやすいと思います。
その後、メモリーします。
角度表示ですが、複素数計算では、方向角という考え方をします。360°で考えるという事です。
右回りに角度が進みます。180°までは通常通り。その後は180°➕〇〇🟰角度になります。
180°から更に90°進んだ場合、270°。
電卓の場合、表示が270°でなく、➖90°と表示されます。
まとめ
今回は、関数電卓の操作を解説しました。
基本的な計算は省いています。
墨出しでよく使用する項目をピックアップしました。そして、複素数の計算。理屈はわからないが、簡単に角度、距離を出せる方法です。
車のエンジンの仕組みはわからないが、車を運転できるのと同じです。複素数を乗りこなしていきましょう!
そして、斜めの返り墨出しの際、使用します。
第4回目では、さらにピンポイントで座標点を導き出す複素数の計算を紹介します。
これで、斜めの返り墨出しは完了します。
三角関数をごちゃごちゃ組み合わせるよりも、わかりやすく、手順も少ない方法です。
次は座標を解説します。前回も、大事な部分を解説しました。復習を兼ねつつ、少し深掘りしていきます。座標が、出せないと今回の複素数計算も使えないので、確実に座標を出せるようにしていきます。
今回は以上です。
お疲れ様でした!