墨出しマニュアル

現場で使える墨出しマニュアル

墨出しとは?

     墨出しマニュアル 

 

はじめに  墨出しとは、どんな仕事?

 

 皆さま、日々の業務お疲れ様です。

 

私は、株式会社 中村測量という墨出し、測量をする会社の代表取締役です。

中村と申します。

 

このマニュアルを読んでくれている方は、建築関係のお仕事につかれている人がほとんどだと思います。もしくは、これから墨出しの仕事を考えている求職者かもしれません。

 

 もしかすると、そうでない人も読んでくださっている可能性もあるので、「墨出し」とはなんぞや、ということを簡単に説明します。

 

 建築関係のお仕事に就かれている人ならだれでも知っている言葉です。

一言でいうと

「(建設)現場に基準となる線を引く」

ということです。

 

 なんのことだかわかりませんよね。

 

 なにもない更地をイメージしてみてください。

 

 建物が立つ前の空き地。雑草を引き抜き、重機で綺麗にならしてあります。

 

 この敷地にビルやマンションを建築していく設計書もできました。

 

 さあ、作ってください!と言われても出来ませんよね。

基準が必要です。誰もがわかる、そして、設計の図面をリンクした基準が。

 「ここから1mのところで玄関ができて、ここから500ミリのところで

 リビングができて・・」

 

  こんな風に、図面を見ながら様々な業種の職人たちが建築していきます。

 その「ここから」を作っていくのが墨出し職人です。

 

 具体的に言うと、敷地には必ず境界が存在します。

石の杭、金属のプレートなどで敷地を区切る目印が備え付けられています。

 その境界から何ミリ(建築の世界では長さの単位はすべてミリ)離れたところ

に基準線を設置しろと指示があります。

 墨出し職人が測量機器を使ってその基準線を目に見える形にするのです。

 

 目に見える基準線を引く

  • 墨を打つ
  • 糸を張る
  • 杭を打つ

  主にこの3つで基準線を明確にしていきます。

 一番多用するのが墨を打つことです。

 ここから墨出しの名称がつけられています。

 

 墨ツボという道具を使い、真っすぐなラインを建築現場に引いていきます。

 

 墨は習字で使う墨ではなく、建築現場用の墨が市販されています。

 それを墨ツボの中に引き詰められた綿にしみこませます。

 墨を含んだ綿の間に糸をくぐらせ、墨が付いた糸を弾くことで真っすぐな線を引くことができるのです。

 ちょっとイメージしにくいと思うので動画を参照ください。

打ち立てのコンクリートに綺麗な真っすぐな線が引かれる様は美しさを感じます。

 「この基準線をみんなが使うんだ。この基準線をもとに建物が建つんだ」

何万回も墨を打っていますが、だれもいないコンクリートの上で墨出しをしているといつも、こんな思いが頭をよぎります。

 

 まとめ

・墨出しとは、基準線を目に見える形にすること。

・主に墨ツボという道具を使い、基準線を明確にしていくこと。

 

 ざっくりいうと、これが墨出しです。

 

 簡単そうでしょう?

 確かに墨を出すだけは、糸を弾けばいいので簡単です。

 誰でもできます。

 

 しかし、その墨が設計通りになっているのか、どこに墨を出せば皆が使いやすいのか、どの道具や機械を使えば正確な墨が出せるのか・・・などなど実は覚える事が多いのです。

 

 覚えることが多い職業にもかかわらず、基本知識を覚えるマニュアルがありませんでした。私も覚えるのに大変苦労しました。

 

 いまから、墨出しをしたい、もしくは墨出しがなかなか覚えられず苦労している、そんな人達のお役に立てればと、このマニュアルを作っていくことを決意しました。

ぜひ、参考にしていただければと思います。

 

 次回は、墨出し業界でなぜマニュアルが作られていないのか、そして建設業界の問題点について解説します。

 

 

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