墨出しマニュアル

現場で使える墨出しマニュアル

仕上げ墨出し(サッシ取り付け用の墨出し)

今回は仕上げ墨出しについて解説します。


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仕上げ墨出しとは?

 

仕上げ墨出しとは、躯体内部に、基準となるレベル墨(陸墨)及び、縦墨を出す作業です。仕上げ墨という言葉は人によって「間仕切りの墨出し」ととらえる人も多いので注意してください。墨出し屋の世界では仕上げ墨出しというと,内部のレベル、縦墨出しのことを言います。

主にサッシ取り付けのための墨になります。

サッシ取り付けは非常に精度が必要になるため、レベル、そして垂直、平行をしっかりと確保する必要があるからです。

親墨出しの次に墨出し屋のメインとなる仕事です。しかし、やる事は特に難しくはありません。新人でも二か月もすれば、マスターできます。まずは仕上げ墨出しを習得するようにしてください。

 

とはいっても、非常に重要な仕事です。精度もかなり求められますので、軽く見ないようにしてください。

 

私たちが出した墨はサッシ取り付けのほかにも、躯体のチェック、左官の躯体補修、

内装工事の高さの基準、廊下、ベランダのタイル貼りなどに使われます。仕上げ工事で様々な場面で使われる重要な墨になります。

 

現在の仕上げ墨出し

ひと昔前は、仕上げ墨出しは職人の技術の差が大きく開く作業でした。

レベル墨を出すのに、すべてオートレベルを据えていました。1フロアーのレベル墨をだすのに何十回もレベルを据えなければいけませんでした。一分、一秒据えるのが遅いとかなりの時間の差ができます。オートレベルを素早く、正確に据える事ができる職人が優秀な職人でた。

縦墨も大変でした。重い下げ振りで躯体下部に墨刺しで付けたポイントを上げる。これも何十箇所も上げる。ずっと下げ振りを目線より上で固定しているため、腕がプルプルしてきました。一つのポイントを何秒であげるか競ったものでした。

 

しかし、現在は様変わりしています。もう、高速でレベルを据える必要もなく、重い下げ振りを使う事はなくなりました。それはなぜか・

「レーザー墨出し器」が進化したからです。

スイッチをひねれば簡単に水平、垂直の墨がだれでも出せます。それこそ墨出し屋でなくとも精度の良い墨がだせるようになったのです。

意固地になってレーザーを使わない墨出し屋もまだいますが、便利なものは使っていきましょう。レーザーのお陰で仕上げ墨出しはぐっと楽になり、スピードも格段にあがっています。

まず、基本的な考え方を紹介します。

 

レベル墨出し

レベル墨出しで重要なのは誤差修正です。

下の階から、スケールで何箇所か測り上げるのですが、すべてのポイントがピッタリくるのは割と難しい。1ミリか2ミリ位誤差が出る事があります。たとえば三点みたとして、どれが一番精度が高いかまず判断します。そのポイントにオートレベルを据えてみて、他の点を見てみます。1ミリ位の誤差なら問題ないので、その点を基準にします。

2ミリ以上あった場合は少し問題です。オーソドックスな解答はすべての点の平均をとる。どの点から測っても、一番誤差が少ない所を基準と決めます。すべてが1.5ミリとか少なくとも2ミリ以内がいいでしょう。

 

縦墨出し

縦墨出しで重要な考え方は、スケールでのポイントの取り方にあります。

返り墨にレーザーを据えて、躯体にポイントを取っていくのですが、その際スケールを使用します。

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こんな感じですね。しかし、この水平、直角は感覚を養うしかないのです。ここが一番難しい所です。あまりに水平、直角が悪いと誤差がでてしまいます。それを確認する方法があります。水平、直角に自信がない時、この方法を使用して確認してください。

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高さも同様に上下に振ってみて数値が一番大きい所が水平な箇所です。

では手順を紹介していきます。今回はレベル墨出しを解説します。

 

 

レベル墨出し

1 下の階からスケールで測り上げる。なるべく躯体に沿って真っすぐに測り上げれる場所が好ましい。下の階で出したレベル墨をしっかりと、ズレなく押さえてもらう。

下の階の人はスケールで100を合わせたら「100押さえました!」と必ず報告。

できれば3点以上測り上げる。

 

2 測り上げたポイントにオートレベルを据える。なるべく3点のポイントが、すべて見える場所に据える。

 

3 基準点をとる。これにレーザーを合わせて墨を打つので超正確に!0.5ミリ以上の誤差がでないように。そのためには直接ポイントにオートレベルを据える事!

SL1mの墨をだすならSL1mに直接据える。慣れるまでは難しく感じるが、慣れてしまえば1~2分で据える事ができる。間違えることはないし、一番正確なので必ず直接据えよう!!

 

4 各所にポイントをちりばめたら、あとはレーザーを据えて、ポイント出し。

 

5 ポイントをしっかり押さえて墨打ち。

 

レベル墨出しの注意点

 

作業前に確認すること

・打ちっ放しで墨を打ってはいけない所はないか。必ず確認すること。打ちっ放し面がある場合には注意喚起しておく。(チョークなどで書いておく)

 

 

1 下の階からスケールで測り上げる。なるべく躯体に沿って真っすぐに測り上げられる場所が好ましい。下の階で出したレベル墨をしっかりと、ズレなく押さえてもらう。

下の階の人はスケールで100を合わせたら「100押さえました!」と必ず報告。

できれば3点以上測り上げる。

・外部がタイル貼りの場合、レベルが必要になります。その場合には外部は測り上げる事ができる場所はすべて測り上げます。

 

2 測り上げたポイントにオートレベルを据える。なるべく3点のポイントが、すべて見える場所に据える。

 ・一度に全部見えるのが理想です。

3 基準点をとる。これにレーザーを合わせて墨を打つので超正確に!0.5ミリ以上の誤差がでないように。そのためには直接ポイントにオートレベルを据える事!

SL1mの墨をだすならSL1mに直接据える。慣れるまでは難しく感じるが、慣れてしまえば1~2分で据える事ができる。間違えることはないし、一番正確なので必ず直接据えよう!!

 

 ・墨を打つ前に必ず、スケールで土間を当たること!!レベルがSLなら土間がぜロになる場合がほとんどなので、100、200の間違いには気づくことができます。

ばかばかしいかもしれませんが、習慣にすること。一秒の作業です。

 

4 各所にポイントをちりばめたら、あとはレーザーを据えて、ポイント出し。

・レーザーは必ずポイント2点(オートレベルで取ったポイント)以上で確認してください。レーザーは半径7m以上の距離では遠すぎるのですえかえてください。

しかし、なるべく一回で多くのポイントを取る事が誤差を減らす秘訣です。

 

5 ポイントをしっかり押さえて墨打ち。

・墨は目線の高さで打つ!つまり中腰になること。押さえる人も同様です。

これが基本。めんどくさいけど真っすぐに墨が打てます。

 

チェックポイント

□ レベル墨出しの際、土間で確認したか?

□ オートレベルでの誤差は?2㎜以内だったか?

□ 外部はレベル墨出ししたか?バルコニーは?庇の先端は?

 打ち忘れはないか一度点検しよう。

□ 縦墨の際、開口の出入りの墨、寄りの墨は出しているか?

□ 能書きの間違いはないか?確認して!

                       お疲れさまでした!!

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墨出しマニュアル 親墨出し編

親墨出しとは?

墨出し屋の最も重要な仕事です。

番神経を使う仕事でもあります。

そのため、親墨出しには伝統的なやり方が存在しています。

現在もそれはほどんど変わっていません。伝統的なやり方で親墨出しをするのが、一番ベストです。手順通りやれば間違いありません。

 

親墨出しとは?  スラブ上に基準となる返り墨を打つことです。

返り墨とはなにか?   それにはまず通り芯という言葉を覚えてください。

通り芯とは?

何もない敷地やスラブ上で壁や柱を作っていく上で、基準がないと何も作れません。

そこで仮想線を引きます。仮想ですので、設計者が自由に決めています。

柱があるときは柱の芯、壁があるときは壁の芯、に仮想線を引くことが一般的です。

その仮想線=通り芯と呼びます。

 

返り墨とは?

 

柱や壁の真ん中にある通り芯は、やがてまさにその場所に建造物が建ちます。墨を通り芯で出せたとします。柱や壁が出来ると、もう墨は見えなくなってしまうのです。それでは意味がない。だから例えば通り芯から1メートル離れた所に墨を打つのです。そうすれば、柱が建っても、壁ができても墨を使う事ができるのです。

 

なぜ墨出し業者が親墨を出すのか?

ほんの20年から30年前まで親墨は、現場監督と型枠大工で協力して出していました。

しかし、監督の業務の激増と、墨出し専門業者の増加で親墨出しは墨出し屋の仕事となりました。特に関東ではそれが顕著です。もしかしたら関西方面では、今でも墨出し屋を使っていない現場もあるかもしれませんね。

 あと一つ考えられる原因として、墨の精度を求められる時代になってきたということです。

 今私達、中村測量ではトータルステーションと、トランシット両方使っています。

 なぜ二つ使うのか?

トランシットは90°だけを出すには、最適な機械です。トータルステーションと比べてかなり軽いし、据え付けも簡単です。

 トランシットだけでも親墨は出せます。ではなぜトータルステーションを使うか。それほ距離を正確に測りたいからです。トータルステーションを使う前までは、スチールテープ、いわゆる巻尺を使っていました。この巻尺、結構厄介な代物なんです。テープをだだ置くだけでは駄目なんです。力を入れて引っ張って使うものなんです。

その力の入れ具合が、いままでは職人の勘に頼ってきていたのです。「だいたいこれくらいの力で引っ張っる」こんな感じ…。

人によって違うのです。これは良くない。

そこで私達、中村測量は距離の測定はトータルステーションで測る事にしたのです。これなら誰がやっても同じ距離になります。

トータルステーションまで使うとなると、もう墨出し屋にしか親墨は出せません。建物の基準を自分達が作っている、他の業種の職人がそれを信じて各々の仕事をこなしている、そういう自覚を持って親墨出しにあたってください。

ここが墨出し屋の腕の見せ所です。

 

 

では、具体的な作業手順に入っていきます。

まずは、流れを見ていきます。その後各作業の注意点、ポイントを解説していきます

その後チェックポイントを提示しますので、

  プリントして必ず現場でチェックして下さい。

 

①墨出し穴に板を打ち付ける。固定を確認したら下げ振りを下の階のスラブまで下げる。

 

②下の人は下げ振りの揺れを止め、下げ振り先端にポイントを付ける。

 

③下の人は今付けたポイントと返り墨との距離を測り、上の人に報告する。その際、上の人は必ず報告を受けた数値を復唱すること!

 

④上の階(これから親墨出しをする階)に先程の数値を元に下の階の墨を復元する。まずは長手を出す。数値を間違いないように復元する。

 

⑤ 墨を打ったら、差し金を使い墨上に交点を作成する。交点同士の距離の確認をする。

 

⑥ 確認が出来たら、交点に据えたまま90度振る。もう一方の墨出し穴で確認。

 

⑦ もう一方の端部でも90度振る。

 

⑧ もう一方の長手を作る。

 

⑨ 距離の割り付けをする。スチールテープでの距離の割り付けが好ましい。

 

⑩ 割り付けたポイントにトランシットを据え、90度を出す。それを繰り返す。

 

⑪ スケールで壁芯や、階段付近、手すり上など細かい親墨を出していく。

 

⑫ 能書きを書いて、もれや間違いがないかチェックする。

 

 

現場にもよりますが2時間から4時間で終了します。

早出して行うこともあります。(ほとんどがそうかもしれません)

 

絶対的な考え方

 

・基本的に親墨出しは下の階の墨を上の階にコピーすると考える。下の階はこの基準を使って、でも上の階は別の基準を使って・・・というのは✖。下の階のものをそのまま上の階に写す。

 

・必ず誤差がでます。でも5ミリ以上あったら何かを間違えている可能性が高い。

5ミリ以上でたら、もう一度墨出し穴からやり直してください。

 

・誤差修正は広げる方向で考える。広げるとは距離を伸ばすということ。

コンクリートは縮まる事が多いので。しかし、あまりやり過ぎない事。修正がきかなくなってしまいます。

 

 ・トランシットは必ず長手をにらんでから振る事。できるだけ距離が長い方から90度を振る事。

 

個別に気を付ける事

 

①墨出し穴に板を打ち付ける。固定を確認したら下げ振りを下の階のスラブまで下げる。

・通り芯と平行、直角に板を取り付ける事。板はあまり分厚いものは適さない。(誤差

が生じてしまう)また、ベニヤ板でもペラペラなものはダメ。釘を打ち込んだ後、ぐらつかないか確認してください。

・下げ振りの糸が途中で何かにぶつかっていないか、上の人も下の人も確認すること!

 

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墨出し穴

②下の人は下げ振りの揺れを止め、下げ振り先端にポイントを付ける。

・基本は下の人が職長か、一番できる人が担当すること。サポート、水、ノロなどで大変作業しづらい環境で、どこに墨があるのかも慣れていないと見つけられない。親墨出しはスピードも大切なので、ここは職長がやってください。

・しっかりと下げ振りの揺れが止まったら、下げ振りの正面から真下にポイントを付ける事。斜めから適当に付けると平気で2.3ミリ誤差がでます。ここをきっちり誤差なく作業することで後が楽になります。ポイントは身体を下げ振りの正面に持っていくこと!

 

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下げ振り

③下の人は今付けたポイントと返り墨との距離を測り、上の人に報告する。

その際、上の人は必ず報告を受けた数値を復唱すること!

・ここがミスが多いところです。伝言ミスですね。しっかりと復唱してください。

上の人は書き間違いがないようにしっかりと確認!

 

④上の階(これから親墨出しをする階)に先程の数値を元に下の階の墨を復元する。

まずは長手を出す。数値を間違いないように復元する。

・出したポイントを型枠から当たってみて確認してください。大きな間違いは防げます。ここを面倒くさがらずにやる事。ミスを発見できることがあります。その後の安心もうまれます。

・墨はよくはじく事。糸に余分にくっついた墨を捨てる事で、きれいな細い墨が打てます。はじかないと、べちゃっとした、ぶっとい墨になってしまいます。

・職長はこの一本がすべてを決めることを理解して、何度も確認してください。

 

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確認

⑤ 墨を打ったら、差し金を使い墨上に交点を作成する。交点同士の距離の確認をする。

・長手の墨を打ったら、両端で直角方向(かねて方向)の墨を出す準備をします。

墨出し穴から差し金を使って交点を作っていきます。その時、トータルステーションで距離を測ってください。理想的な距離は1,2ミリほど長い距離。たとえば10メートルの距離なら10m2㎜。これぐらいがベスト距離。小さい現場ならピッタリがいいでしょう。 先程もいいましたが、5㎜以上あった場合は危険信号!もう一度やり直してください! 3㎜以上5㎜未満の場合、調整が必要。まずはそのままで90度振ってみてください。そこで墨出し穴からあげたポイントで確認して考えます。どこで誤差が生じたのか。どこを修正すれば現場に支障がでないか。 基本は90度を守る方向で考えて、距離の調整で誤差を修正してみてください。

 

⑥ 確認が出来たら、交点に据えたまま90度振る。もう一方の墨出し穴で確認。

・作った交点にトータルステーションを据えて、長手をにらんで、90度振る。

この際に、墨出し穴から上げたポイントで確認します。OKならそのまま墨打ち作業に入ってください。墨を打った後、もう一方の長手を出すために距離を測るのを忘れずにおこなってください。誤差があった場合は上記の⑤番を参考に調整すること。

・この時、手すりなど、ついでに出せるところは出しておく。

 

⑦ もう一方の端部でも90度振る。

・トータルステーションを移動して90度振る。墨出し穴を四隅上げていたらここでも確認できますが、3点の場合確認ができないので、画面表示の90度をしっかりと、指さし確認してください。以前89度で振った人がいました。人間は間違えるので、過信せず毎回確認してください。

・もう一方の長手を作るために距離を測っておくことを忘れずに。

 

⑧ もう一方の長手を作る。これで四角が完成します。

・両端で90度振った後に距離を測っておきましたので、そこに据えて90度振る。

この際、短手から長手を見るのでどうしてもピタッとはきません。少しずれるのが普通です。そこは気にしないでポイントに合わせてOKです。大きく間違っていなければ大丈夫です。

・長い距離の墨出しの場合はかならず、最初のポイントを何回か確認しながら、墨を出していってください。温度や振動などで意外と器械は動きます。

 

⑨ 距離の割り付けをする。スチールテープでの距離の割り付けが好ましい。

ここで短手(X方向)の墨を出す準備にかかります。四方を囲めば親墨出しも半分以上終了しています。残りも頑張りましょう。

・スチールテープで割り付けをします。ここはトータルステーションではなく、スチールテープ一択です。トータルステーションだとぴったりと同じ数値を復元するのが難しく、時間がかかるためです。スチールテープの方が、同じ距離を再現するには適しています。よくわからないと思いますが、割り付けはスチールテープと覚えてください。

これは何度も検証した結果なので、信じてスチールテープでやってください。

・スチールテープは同じ力で引っ張る。ここは感覚ですが、トータルステーションでも測っているので大きな誤差は生じないはずです。

 

⑩ 割り付けたポイントにトランシットを据え、90度を出す。それを繰り返す。

・ここでトータルステーションからトランシットにチェンジ。割り付けたポイントにトラを据えてガンガン振っていってください。ここからスピード重視です。新人にトラを覚えさせるのはここからがいいでしょう。割り付けもして、その相手のポイントも作っているので、間違いがないからです。

・しかし、この辺から大工、鉄筋、鳶などの職人が上がってきて、やりずらくなる時間帯に突入します。ここからはスピードが重要なので、現場状況を見て判断してください。

 

⑪ スケールで壁芯や、階段付近、手すり上など細かい親墨を出していく。

・バルコニー、手すり、階段など細かいところを仕上げていきます。スケールで距離を返すだけの所は素早く出していってください。

・仕上げで使いそうな壁芯の返りなども出していきます。

・90度確認ができない作業なので、よく図面をみて、確認しながら出す事!しっかりと声出し確認しながら作業すること。

 

⑫ 能書きを書いて、もれや間違いがないかチェックする。

・能書きを書く。綺麗にね。上手く書けない人は練習してください。能書きがキレイだと墨もきれいに見えます。墨出し屋は墨が商品なのでキレイに仕上げてください。

・スパン、平行、直角を最終確認してください。ここまでの作業でおおむね間違っていないのは分かっていますが、ウイークポイントを見つけてチェック。

 

お疲れ様でした!!!

 

チェックポイント

□ 下げ振りの糸はサポートなどの障害物にふれていなかったか?

□ 一本目の長手は型枠と平行になっているか。大きくちがっていないか?

□ 両端のかねてはどうか?型枠と平行になっているか?

□ 全長は合っていたか?スチールテープで測った時、きつすぎたり、ゆるすぎたりしていなかったか?

□ スパンチェックしたか?スケールで当たってみたか?

□ 90度確認していない墨のチェックはしたか?していない場合は今から確認!

□ 基準レベルは出したか?

□ 出し忘れがなかったか?手すり、階段室は出したか?壁芯の返り墨は出したか?


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墨出し屋さんは絶滅危惧種⁈ (墨出しマニュアルはなぜ生まれないのか)

 

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  墨出しには、なぜマニュアルがが存在しないのか

 

墨出しにマニュアルが存在しない理由 3点

 

① 就業者が少ない

② 比較的新しい業種であること

③ 業務内容がめちゃくちゃ多い!!

 

 

 皆様、日々の業務お疲れ様です。

まず、前回のおさらいから。

前回は、建設業にまつわる問題点をあげました。

最大かつ最悪な問題が

「人工商売」

でした。

 つまりは「ピンハネ

ピンハネは多くの建設会社のビジネスモデルです。

ピンハネをすることにより、会社は利益を上げています。

それは、優秀な人材の人件費の高騰をきらい、出来ない社員(つまり給料が少ない社員)を多く雇うことにより完成します。

 優秀な社員は、出来ない社員に囲まれてヒーヒー言っています。

やがて、疲れ、不満がたまり、爆発します。

転職したり、廃業したり・・・。

 そんな姿を見ている若者達は、そんな業界に入ってきません。

3Kやピンハネのイメージも相まって建設業に若い人達は近寄ってきません。

 そして、高齢者が今、現場を支えています。

そんな彼らも、いつまでも働ける訳ではないのです。

 彼らが引退するとき、建設業はいったいどうなってしまうのでしょうか?

 

 

墨出し屋さん独特な問題点

 前回あげた問題点は、当然墨出し業者にも当てはまっています。

それに加え、墨出し業に独自の問題がいくつかあり、若手育成を妨げています。

 次の3点があげる事ができます。順に見ていきます。

① 就業者数が少ない。

 実際、統計を取ったことはありません。ただ、建築業ではメインの業種ではないので、おそらく当たっていると思います。

 墨出しは1現場2人が通常ですので、1現場に10~20人もいる大工さん、鉄筋屋さんと比べても、人数が少ないのは明白です。

 仕事に就く人達のが基本少ないのですから、苦労してマニュアル本を作った所で売れません。

 ちなみに、ずいぶん昔に2冊だけ出版されています。

 私も新人のころ、購入して読みました。

  ・とっても、昔の本

  ・わかりずらい

この2点から今から買うことはお勧めしません。

 

② 比較的新しい業種であること

 墨出しの歴史を少し話します。

 墨出しという作業は、かなり古くからあります。

どっかの古いお寺の屋根から左官仕上げの為に引いた墨が見つかったり、

西洋の大聖堂の屋根裏から「これはおらが作ったんだぞ」と言わんばかりに墨ツボが置いてあったりしたそうです。

ただ墨出しを専門でやるという会社は有りませんでした。現代日本でも、墨出しは監督さんと大工さん、もしくは左官屋さんが協力して行うものでした。

 専門の墨出し業者が出現したのは、おそらく50年くらい前から。しかも長い間、関東だけでした。関西やその他の地域では、変わらずに

監督さん、大工さん、左官屋さんなどが墨を出していました。

 しかし、監督さんの管理業務の増加に伴い、とても墨出しには手が回らなくなっていきます。

 そんな背景もあって、急速に墨出し専門の業者が増えていきました。

 新しい業種なんです。新規業者が乱立状態なので、まとまっていません。

統一したものがないのです。

 

③ 業務内容がめちゃくちゃ多い

 まさに「ゆりかごから墓場まで」です。

 建設開始から竣工の検査まで、ずっと現場にいる感じです。

その間に発生する業務にほとんど関わっている感じです。

特に大きい現場だと、それが顕著です。

  1. 地縄、通り芯だし
  2. 杭工事、山留工事
  3. 捨てコン上での墨出し
  4. 耐圧
  5. 躯体工事
  6. サッシ取り付け用の墨出し
  7. 部屋などを区切る間仕切り墨出し
  8. 外部のタイル工事用の墨出し
  9. 屋上の機械基礎や伸縮目地などの位置だし
  10. 外構工事

 

 ざっと思いつくだけでこれだけあります。

大変多岐にわたっております。広く浅く、場合によっては深い知識も必要になってきます。

 しかも、毎日同じ作業をするわけではないのです。次の日は違う現場で違う作業。

次の日も次の日も、違う現場、違う作業です。

 これは、なかなか覚えられません。

 業務時間だけで全部覚えようとしたら何十年もかかります。

このご時世、帰宅後も勉強しろなんて言ったらブラック企業認定間違いなしです。

 

 現在、現場で活躍されている職長さんは、ほどんどが長い期間をかけてさまざまな現場で技術、知識を蓄積し、その経験で業務をこなしています。

 言い換えると、「感覚」でこなしています。

 はっきりと言語化している訳ではありません。

 私も新人の頃、よく質問したのですが、しっかりと論理的に、体系立てて教えてくださる職人さんは、非常にまれです。

 だいたい

「盗め」「背中を見て覚えろ」「そのうち覚える」

といった答えばかりでした。

 実は、技や知識を「盗む」のは高度なテクニックです。

 右も左もわからない人はなにを「盗む」のかもわかりません。

まず、普遍的な基礎、知識をきっちりと身に付ける必要があります。

 ただ、猿真似してもだめです。それではただ動きをまねるだけになります。

 少し問題が起こったり、未知の作業が入ってくると全く対応できなくなります。

 

工事全体の流れから、今ここでは、何の墨が求められているのか。

その墨を出すには、どの機械を使うのが最適なのか、この先の作業に併用できる

墨が出せないか。そして、最も間違いが起こりにくいやり方はなんなのか。

 

まねているだけでは、瞬時にこのような判断は下せるようにはなりません。

 

 まとめ

 今回はなぜ墨出しには、マニュアルが作られないのか考えました。

 

  ①就業者が少ないから

  ②比較的新しいから

 専門の墨出しという業種は歴史が浅く、新しい企業が乱立している状態です。

まるで戦国時代のようです。

 各社とも「オレのやり方が一番だ」「オレの会社が一番できる!」

と競い合って、統一の手順なんてものは当分できません。

 

 ③業務内容が非常に多い

 

 若手育成が難しい点はまさにこれが一番の原因ですね。

まさに「ゆりかごから墓場まで」状態。

「墨出し屋さんはなんでも知っている」と現場では勘違いされるほどです。

多岐多用にわたる業務内容を体系的にまとめるのは非常に難しいのです。

 

この①、②、③、により「マニュアル」は作られてきませんでした。

 しかし、このままでいいわけではありません。

 私も、独立し、教育する立場となって痛感しました。

なんとなく教えても、人はなんとなくしか覚えてくれません。

この子能力が高いなと思う新人が現れても伸ばしきれませんでした。

大変もったいない事をしています。

 入社から2年間位までは、吸収力が非常に高い。まるで乾いたスポンジです。

この時期に徹底的に基礎を叩きこめば、あとは場数だけ。やがて良い職人に仕上がります。そのためにも、わかりやすいマニュアルはあるべきなのです。

次回からやっと実践編に入ります。

とは言っても作業の内容はもう少し後。

どうやったら、一流の技術者になれるのか。

なにをどう修行したらよいのか。

その全体の流れを考えていきます。

 

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建設業界の闇・・・なぜ、慢性的な人手不足なのか・・・

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皆様 日々の業務お疲れ様です。

さて、今回は建設業の切実な問題点を考えています。

15年以上この業界で感じたことを正直にお話します。

おそらく、今から私が話す事が建設業の衰退の最も大きな問題の一つだと確信しております。

 その影響は墨出し業界にも例外なく暗い影を落としています。

今回は建設業の問題点を紹介します。次回はそれをふまえて墨出し業界になぜ、マニュアルが作られないのかを解説していきます。

 

建設業界の問題点

主に3つあります。

 

     1、高齢化

     2、若者の建設業離れ

     3、人工商売をいまだに続けている

 

この3つとも、とても切実な問題です。

このまま放置しておけば、いずれ日本人の手で建物を作ることはできなくなるでしょう。

 

解決の糸口はあるのか?

私も微力ながら、もがいています。

このブログも少しでも解決に近づこうという思いで書いています。

 

では順に解説していきます。

 

①職人の高齢化問題

 今、建設現場に入るとまず驚きます。

職人さん達の年齢層の高さに・・・。

私は40代後半ですが、現場にいると、

「オレ、もしかしてまだ若造・・」

と、思ってしまいます。

 

ある大工さんと仲良くなったのですが、その方はなんと83歳!!

腰は曲がってしました。(大工の腕はたしかだった)

日本全体の問題ではありますが、特に建設業ではとても高齢化が進んでいます。

 

若い人は・・ベトナム人の方ばかり・・

 

いつまでもお元気でいてもらいたいところですが、そうはいきません。

いずれ引退していきます。

その高い技術と豊富な知識を伝えずに・・・です。

それに加えて、昨今の夏の暑さは高齢者にはこたえます。

現場では、毎日のように熱中症一歩手前の人がでます。

高齢者がかなり多いのが現状です。

 そして、コロナ。

現場は屋外が多く、換気もいい。3密になる事もさほどない為、一般の業種に比べれば

リスクは低いと思います。それでも高齢者は、コロナにかかると重症化するリスクは

高いはずです。

 夏の暑さと、冬のコロナ・・高齢者には働きずらい環境になりつつあります。

 

②若い人達がいない・・・

建設業の若者離れが他業種と比べ著しいのは一目瞭然です。

もちろん、若者の責任ではありません。

 

しかし、なぜここまで、この業界は嫌われてしまっているのでしょうか・

 主に3点あります。

 ①3Kイメージ

 ②長時間労働

 ③低賃金、社会保障もない。

これは見ただけで好んで働こうという人はいないと思います。

実際、入社しても、すぐ辞めてしまいます。

「今の若者は根性がないな」

この業界の人達はそう言ってごまかしてきています。

でも、違います。

 これは構造上の問題なので、ここを解決していかないと若者が働いてくれません。

 

 高齢者が引退した時、この業界は崩壊します。

 

 実は、①、②の問題はすべて次に紹介する③の問題、

「人工商売」

から、発生しています。建設業をおおう暗い影はすべてここから端を発して

いるのです。

 

③人工商売

 人工商売とはなにか?

 わかりやすく言うと「ピンハネ」です。

 職人一人が一日働いて得られる報酬を「人工(にんく)」と呼びます。

 

 例えば、ゼネコン(元請け)から一人工、一万二千円もらったとします。

 作業員に日当として一万円、のこりの二千円を会社が頂く。

 かなり、ざっくり言っています。経費を考えていないので実際は、もっと作業員の手取り額は減っていきます。

 

 これが、主な建設業のビジネスモデルです。

 

 では、人工商売のなにが問題なのか。

 

   ・優秀な人材が育たない。

   ・イメージが悪い

   ・元請け依存体質

 この3点があげられます。一つ一つ見ていきます。

 

     優秀な人材が育たない

 これが、最大かつ最悪な問題です。

①の高齢化、②の若者の建設業離れと直結します。

 

なぜ人工商売をすると、優秀な人材が育たないのか。

 

人工商売の致命的欠点

 

人工商売をしている会社は、実は

「社員にいつまでもバカでいて欲しい」

のです。

「そんなことはない!」「うちはちゃんと教育している」

「人が育たなくて困っているのにそんな事があるか!」

怒号が聞こえてきそうです・・。

しかし、心の奥底では

「社員にいつまでもバカでいて欲しい」

のです。

 

 先程の1万2千円の例で説明します。

ある仕事ができない社員に

「おまえ、仕事、本当に覚えないよな~。覚えないといつまでも給料あがらないよ」

といって、入社からずっと5千円に固定します。

 すると7千円が会社の取り分です

 会社が儲かります。潤うのです。

 できない社員がいれば、いるほどです。

 逆に優秀な人材は仕事を覚えるので、給料を上げざる得ません。

給料を上げなければ、優秀なので、さっさと見切りをつけて、転職してしまいます。

 なによりも、仕事が出来る人がいないと現場が回っていきません。

会社は(経営者)は苦々しい思いで、高給を支払います。

給料日にはいつも嫌味をいいます。

「おまえは高給取りだな~。金払っているのだからもっと頑張れよ。」

この言葉聞いたり、もしくは、言ってしまったことはないですか。

 私も従業員時代はよく言われました。

 恥ずかしながら経営者になってからも言った覚えがあります。

でも、優秀な社員は既に十分に頑張っています。

なにせ、周りにできない社員だらけなのですから・・・。

往々にしてこういった人達は責任感が強く、

「現場に迷惑かけられない・・・会社の評判が悪くなる・・・」

などと考えてしまい、人一倍頑張っているのです。

 もし、特に問題なく業務が回っているなら、この人達のお陰です。

でも、やがて限界がきて、去っていきます。

 そして最悪のループが完成します。

 

       儲けたい、人を安く雇いたい。

            ↓

       できない社員を増やす

                                      ↓

       できる社員には給料をけちる

       もしくは、もっと働かせる

            ↓

       できる社員の負担が増え、去っていく

       もしくは、仕事が雑になる 

            ↓

       技術者の流出、やる気の低下により

       仕事がこなくなる、売り上げが減る

            ↓

       始めに戻る・・・・

 

このループが完成します。そして、崩壊するまで続きます。

 

        イメージが悪い

 

 ピンハネは当然イメージはよくありません。

   

        元請け依存体質

 

 基本的に建設業はゼネコン(元請け)から仕事を発注されて、それをこなす事で利益をあげていきます。

ゼネコンから仕事が発注されなければ、収入はありません。

完全に依存しています。

 昭和は特にひどかったのですが、ゼネコンは威張り散らし、立場の弱い下請け業者はペコペコ、すり寄り、接待、賄賂・・・。

下請け業者の社長は飲むのが仕事だと言っている経営者が本当にいました。

 令和の時代になり、そこまで威張り散らすゼネコン社員はあまりいません。ほどんどの監督さんは紳士的、常識的です。

 

 でも・・基本的構造はなにも変わってはいません。

ゼネコンの胸三寸ですべてが決まってしまいます。

 平成では、リーマンショックの時が本当にひどかった・・・

日本全体で仕事がなくなりました。

仕事があればいい・・。皆口々にそう言いました。

転職したり、田舎に帰ったり、廃業したり、多くの職人さんが業界を去っていきました。

 仕方ない面もありますが、職人一人の単価がみるみる下がりました。2~3割くらい下がりました。生きていければ、暮らしていければ・・そんな気持ちで働いていました。

圧倒的に弱い立場です。世は平成でしたが、威張りだす監督が増えてきました・・・。

 このように時代の変化があると、すぐにその基本的構造による上下関係がクリアになっていきます。

下請け側もダメダメでした。

結局は、みんなで安酒飲んで、

「ゼネコンが悪い、ゼネコンが悪い」

と、愚痴を言って憂さ晴らし。現状に甘んじているのです。すべてはゼネコン次第・・・

ここで、水柱 富岡さんの名言でしめます。

 

生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」

 

 まとめ

 建設業の問題点

  ①高齢化

  ②若者の建設業離れ

  ③人工商売がやめられない・・

 

 ・この3つの問題のうち、最大の問題は人工商売である。

 ・人工商売が、もたらす悪循環

 

      ・優秀な人材が育たない、流出

      ・イメージの悪化

      ・元請け依存から抜けられない

 

 このように、建設業は深刻な問題を抱えています。

それに加え、墨出し業界は独特な問題点もあり、若い人達の育成を阻んでいます。

次回はなぜ墨出し業界にマニュアルがないのか解説します。

その後、具体的な墨出しマニュアルの解説に入っていきます。

 

 株式会社 中村測量では、この人工商売のループから抜け出すメソッドを開発しています。このメソッドを広めることで、少しでも業界が良くなればいいなと思っています。

 

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墨出しとは?

     墨出しマニュアル 

 

はじめに  墨出しとは、どんな仕事?

 

 皆さま、日々の業務お疲れ様です。

 

私は、株式会社 中村測量という墨出し、測量をする会社の代表取締役です。

中村と申します。

 

このマニュアルを読んでくれている方は、建築関係のお仕事につかれている人がほとんどだと思います。もしくは、これから墨出しの仕事を考えている求職者かもしれません。

 

 もしかすると、そうでない人も読んでくださっている可能性もあるので、「墨出し」とはなんぞや、ということを簡単に説明します。

 

 建築関係のお仕事に就かれている人ならだれでも知っている言葉です。

一言でいうと

「(建設)現場に基準となる線を引く」

ということです。

 

 なんのことだかわかりませんよね。

 

 なにもない更地をイメージしてみてください。

 

 建物が立つ前の空き地。雑草を引き抜き、重機で綺麗にならしてあります。

 

 この敷地にビルやマンションを建築していく設計書もできました。

 

 さあ、作ってください!と言われても出来ませんよね。

基準が必要です。誰もがわかる、そして、設計の図面をリンクした基準が。

 「ここから1mのところで玄関ができて、ここから500ミリのところで

 リビングができて・・」

 

  こんな風に、図面を見ながら様々な業種の職人たちが建築していきます。

 その「ここから」を作っていくのが墨出し職人です。

 

 具体的に言うと、敷地には必ず境界が存在します。

石の杭、金属のプレートなどで敷地を区切る目印が備え付けられています。

 その境界から何ミリ(建築の世界では長さの単位はすべてミリ)離れたところ

に基準線を設置しろと指示があります。

 墨出し職人が測量機器を使ってその基準線を目に見える形にするのです。

 

 目に見える基準線を引く

  • 墨を打つ
  • 糸を張る
  • 杭を打つ

  主にこの3つで基準線を明確にしていきます。

 一番多用するのが墨を打つことです。

 ここから墨出しの名称がつけられています。

 

 墨ツボという道具を使い、真っすぐなラインを建築現場に引いていきます。

 

 墨は習字で使う墨ではなく、建築現場用の墨が市販されています。

 それを墨ツボの中に引き詰められた綿にしみこませます。

 墨を含んだ綿の間に糸をくぐらせ、墨が付いた糸を弾くことで真っすぐな線を引くことができるのです。

 ちょっとイメージしにくいと思うので動画を参照ください。

打ち立てのコンクリートに綺麗な真っすぐな線が引かれる様は美しさを感じます。

 「この基準線をみんなが使うんだ。この基準線をもとに建物が建つんだ」

何万回も墨を打っていますが、だれもいないコンクリートの上で墨出しをしているといつも、こんな思いが頭をよぎります。

 

 まとめ

・墨出しとは、基準線を目に見える形にすること。

・主に墨ツボという道具を使い、基準線を明確にしていくこと。

 

 ざっくりいうと、これが墨出しです。

 

 簡単そうでしょう?

 確かに墨を出すだけは、糸を弾けばいいので簡単です。

 誰でもできます。

 

 しかし、その墨が設計通りになっているのか、どこに墨を出せば皆が使いやすいのか、どの道具や機械を使えば正確な墨が出せるのか・・・などなど実は覚える事が多いのです。

 

 覚えることが多い職業にもかかわらず、基本知識を覚えるマニュアルがありませんでした。私も覚えるのに大変苦労しました。

 

 いまから、墨出しをしたい、もしくは墨出しがなかなか覚えられず苦労している、そんな人達のお役に立てればと、このマニュアルを作っていくことを決意しました。

ぜひ、参考にしていただければと思います。

 

 次回は、墨出し業界でなぜマニュアルが作られていないのか、そして建設業界の問題点について解説します。

 

 

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