墨出しマニュアル

現場で使える墨出しマニュアル

捨コン上親子墨出し

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 捨コン上親子墨出し

①目的

捨コンを打設したあと基礎、地中梁、柱の位置を出すための墨出しを行います。

本格的な墨出しがスタートします。

基礎の墨出しは間違いが多い作業の一つです。水が出ていたり、捨コンがデコボコしていたり段差が多くあったりとやりずらい環境にあります。また墨の本数もかなりの数になるため、慎重に墨出しする必要があります。

②方法

あらかじめ用意してある逃げを使って、トータルステーションで通り芯をだしていきます。

その後、子墨をだしていきます。

スムーズに通り芯を出せるかがポイントとなります。地縄の際、捨コンを見越してポイントを作成いておくことが重要です。

子墨出しは図面をよくみてください。一見単純そうな寸法が羅列してありますが、すべてが同じ寸法ではないと考えて墨出ししてください。

墨の本数が多いため、かならず最後に全部のチェックをすること!!

 ③道具

- [ ]  トータルステーション
- [ ]  墨ツボ
- [ ]  スプレー (赤→柱 青→フーチン 黄色→地中梁 緑→人通口など)
- [ ]  釘、水糸(水没して墨が打てない時使います。)
- [ ]  レベル

 ④手順

1、まず通り芯をだしていきます。地縄で作ったポイントを使い、トータルステーションで長手をだします。ここはじっくりと時間をかけて確認してください。間違っているとすべてが間違うため、確実に一本通り芯をだしていきます。

2,短手を出します。両端をトータルステーションで出し、あとはスケールで返しても構いません。しかし段差などがある場合はトータルステーションを使い、出していきます。

3、通り芯、梁芯など全て出していきます。ここで能書きを書いておくと混乱せず図面が読めますので、ざっとでもいいので書いておきましょう。

4、通り芯を出した後は子墨を出していきます。

まずは、やりやすいところから。地中梁から出していきます。振り分けを間違えないように気をつけて墨出しをしていきます。

その後はフーチンを出します。フーチンは一段下に位置することが多いため、水がわいていることがほとんどです。あまりに水が溜まっているようでしたら現場サイドにお願いして水替えをしてもらいます。

水替えは時間がかかるため、予め頼んでおきましょう。

次に柱を出します。柱はその後の工事でも特に関連していくところですので、間違えないように!

残りは人通口などを出します。

5、あらかた出し終えた後、スプレーで能書きを書いていきます。

6、その後通り芯のスパン、子墨の確認を確実に行っていきます。全ての墨をチェックします。

7、その他作業として、レベル出し(矢板にレベル墨を打ちます)、杭芯のズレの確認など行っていきます。

 ⑤量

ステコンの墨出しはかなりのボリュームがある作業です。水がわいたりして、やりにくい環境であることが多い作業となります。人員増員するなどして時間内に終われるよう段取りしてください。

⑥質

ステコンの墨出しは基本的には鉄筋の位置が分かれば良いため、多少の誤差はそこまで問題にはなりません。子墨などはスケールのゼロを使ってもいいでしょう。しかし私たちは墨出し屋のため誤差はなるべく出さないという意識は持っていましょう。

 ⑦時間

工程的に一日しか墨出しの時間がないのが普通です。(大現場では2〜3日)

その中でこれだけの作業量をこなすので、人員の手配を考えてください。

通常であれば通り芯だし、レベル出しで2時間程度,子墨出しで3〜4時間程度、確認1時間

その他作業(スプレー吹き、杭芯チェックなど)を目安にしてください。いかに通り芯を丁寧に多く出すかが、その後の子墨出しの時間短縮に大きく関わってきます。

夏場や、水のわき具合によっても作業時間が変化していくため、ステコンの墨出しは、レベルが高い作業であります。ステコン墨出しが時間通り終えることができたのなら、いい職長になったと言えるでしょう。